自然いっぱいの若葉台公園。春には遊水池のまわりが満開の桜に彩られ里山のような風情になります。
そして例年5月には、遊水池の上にこいのぼりがひるがえり、公園グラウンドで多世代交流イベント「みんなあつまれ!」が開催されます。
(コロナ禍の中、感染予防のため昨年は中止に。今年の開催も今のところわからない状況です)
さまざまな昔遊びなどが人気ですが、そんな中、若葉台の自然の中で食べられる野草を集め、天ぷらにして、訪れた人に食べてもらうというイベントも。
この催しは、若葉台中学校自然科学部と若葉台旧西中学校を拠点にしている「電子顕微鏡でミクロを観る会」の共同企画です。
若中自然科学部生が人々に野菜の天ぷらを勧めている傍らで、ミクロの会メンバーが野草の天ぷらをあげている光景も地元の皆さんにおなじみです。
「電子顕微鏡でミクロを観る会」は、若葉台や近隣の皆さんに、科学に関心をもってもらおうとさまざまな活動を展開中。
発足は数年前、東京工業大学から若葉台スポーツ・文化クラブに、走査型電子顕微鏡が贈られたことがきっかけです。
この顕微鏡を使って、小さいお子さんから大人の方まで、科学に関心をもってもらおうとさまざまな企画や実験を行っています。
若葉台中学校自然科学部と連携し、テーマを決めて共同で研究を行っているほか、科学技術への興味を高めるため、定期的に市民教養講座も開催。
数年前には、JAXA名誉教授で「はまぎんこども宇宙科学館」館長の的川泰宣さんを招き、「はやぶさ2とアポロ50周年」を開催。会場が人であふれる大盛況でした。
2月28日開催の第20回市民教養講座は、「モースと臨海実験所」~奇跡の海相模湾とモースの贈り物~。
東京工業大学名誉教授・星元紀さんを講師に迎えました。
当日は感染防止のため、会場となった旧西中学校木工室の窓を開けて空気の流れに配慮し、新しく導入した高性能の検温器もフル活用。
講師はビニールシート越しに話しかける形をとりました。
大森貝塚を発見したことで知られているモース。
横浜から文部省に向かう途中の車窓から偶然に大森貝塚を発見したそうです。
また、星教授の話によれば、江ノ島の漁師小屋を借りて研究室にし、太平洋初の「臨海実験所」をつくりました。
それにより、ここが日本の海洋学の発祥の地になったとのことです。
今まで知らなかったことが知れて、科学への興味がつきません。参加者の皆さんは、熱心に耳を傾け、配られた資料や回覧された貴重な本を興味深げにのぞきこんでいました。
また、新型コロナ感染症の収束が見えない中、去る12月13日には、同会代表の惣田昱夫さんによる第19回市民教養講座「新型コロナウイルスとは?」が開かれました。
惣田さんは元静岡理工科大学教授で、微生物の研究に長年携わってきました。
コロナ禍の中で、ウイルスについての理解や、病気の特徴、新型コロナ感染を予防するために何が必要なのかをわかりやすく解説しました。
何よりも大事なのは感染させないこと。
そのために「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3点から考察。
マスクの効果や、ソーシャルディスタンスがなぜ大切なのか、ていねいに解説し、参加者の皆さんは、何度もうなずいていました。
このようにさまざまな活動を通して、地元で科学する心を育んでいる「電子顕微鏡でミクロを観る会」。
ぜひ大人の方もお子さんも、同会の活動の一端に触れてみてはいかがでしょう。
連絡は、若葉台スポーツ文化クラブ VOSC 事務局へ。℡921―0404。